人の想いが街を変える
11月23日~25日、開港5都市まちづくり会議横浜大会に参加してきました。毎年、参加するからには他都市、他地区のまちづくりに取り組み関わる方々と交流して、何か一つでも岡本に持って帰ろうとしております。
訪れる前に私が持っていた横浜の街のイメージは、神戸より大きな中華街に綺麗な山下公園、おしゃれなスポットみなとみらい、それに新しく立ち並ぶ高層ビル等です。
今回私は馬車道商店街を含む関内地区のまちあるきを行う分科会に参加しました。馬車道商店街では看板の大きさや色、建物のセットバック等のルールがまちづくり協定の中で決められています。
このルールは「岡本版・屋外広告物ルール&ガイドライン」を作る時に参考にしたものです。
馬車道は1866年の大火の後に整備された幹線道路の一つで、外国人を乗せた馬車が行き来する様から馬車道と呼ばれるようになったそうです。横浜の都市デザインのレジェンドである国吉直行氏のガイドにより、馬車道の歴史、横浜らしい街並みをつくる仕組み、仕組みを作った時の現場の苦労話などを聞かせていただき、非常に勉強になりました。
横浜滞在期間中には、一緒に参加した岡本の仲間達で自主的に元町仲通りの見学にも行きました。元町仲通りも岡本の看板のルールを作る時に参考にした街で、私は今回初めて歩きましたが、お洒落で活気があり、道は石畳で程よく広く、とても素敵に映り、羨ましくも思いました。
色々な街を歩き、その都度思うのですが、街というのはいずれも元々の地形であったり、災害など歴史的な出来事によってその土地が形作られ、現在まで続いています。
その上で、道幅や雰囲気、人の多い・少ないなどの違いはあれ、それぞれの街に想いを注ぐ人々の力によって少しずつ変わっていくということを実感します。
横浜は私たちが住む街よりもすごく都会で羨ましい気持ちがありましたが、横浜の参加者の方から『神戸は東京の隣の横浜よりアイデンティティがあって好きです!』と褒めていただき感銘を受けました。私たちの岡本にも岡本のアイデンティティがあるのだと改めて自負し、大事にしていきたいと思います。
防災意識を高めよう
今回の開港5都市景観まちづくり会議では防災に関連した分科会に参加しました。
横浜は関東大震災の被害が大きかった地域で、横浜屈指の観光地である“みなとみらい”にも多数の震災遺構が存在しています。
例えば横浜赤レンガ倉庫は1号館・2号館の2棟ありますが、1号館の長さが半分しかないのは、震災で半壊して一部が取り壊されていたからでした。
華やかな観光名所そのものが震災遺構だと初めて知りました。
防災についてのディスカッションをしたり災害リスクや防災を学べるボードゲームを体験したりして防災意識を高める事ができました。
今年は阪神淡路大震災から30年の節目という事で、関連したニュースやイベントを目にする機会が多いと思います。
記憶に新しい能登半島地震や東日本大震災に関心を寄せて被災地の為に何か行動をするのも良い事だと思いますが、まずは避難場所と複数の経路を再確認し、地震・台風・水害・火事等の起こり得る災害に対して、どのように行動するかをシミュレーションしたりして、災害に遭遇したとしてもパニックにならず冷静に行動できるように、一人ひとりが防災意識を高めて日常を過ごす事が大切だと思います。
林 秀峰
