ドンク編
まち協発足の1982年以前からあるお店に順次インタビューに伺っています。今回はドンク岡本店で長らく店長を勤めておられた志茂さんに岡本の街や住民のイメージ、まちづくりなどについてお聞きしました。
学生がハシゴしたくなる街へ ドンク 前店長/志茂 勝司さん
岡本とドンクとわたし
岡本店のオープンは1978年で、元は現在のRF1の場所にあり、震災後1998年に今の場所に移転しました。私は1985年にドンクに入社し、いくつかの店舗で経験を積んだ後、45歳頃に店長職になり、56歳頃に岡本店の店長をさせていただきました。
創業オーナーの藤井家が岡本にお住まいだったからか、“岡本発祥”と勘違いされることが多いんですが、ドンク本店は1951年開店の三宮本店が始まりです。さらにルーツを辿ると、前身は1905年に兵庫区で創業した“藤井パン”で、当時は港の船乗りさん相手にパンを販売していたそうです。
にぎやかなようで、実は静かな街
岡本店の店長になる前から、本社の仕事などで時折岡本を訪れていました。40年前の岡本はたくさんの人の往来がありましたが、三宮や大阪と比べるとどこか活気がない印象を感じていました。人通りは多いけれど活気がないところは、40年経った今もあまり変わっていないように思います。
もっと気軽に立ち寄れるお店にしたい
ドンクって少し高級なイメージがあるのか、若い方は入りにくいみたいです。ですが岡本は学生が通る街なので、学生にもっと気軽に立ち寄ってもらえるお店にしたいと思っています。例えば学生がお昼に食べられるような惣菜パンを取り入れるなどは、ずっと考えていることの一つです。
ドンクの企業理念にも「地域密着、店舗ごとの個性を活かす」とあり、全店共通の商品以外に店舗オリジナルの商品を4割程作り、次は別の店舗に行ってみようと思ってもらえるようにするのが理想です。実際は工場の製造ラインの問題や作り手の減少から作るのが難しかったり、ブランドイメージの面で本社の許可が出なかったりと、なかなか実現できないのが正直なところです。
温かみのある街と景観づくり
今の岡本は、住民が高齢化し、シャッター店が増え、昼間に出歩く人が少なくなったと感じています。日陰がないので暑い夏は外を歩くのも大変です。木陰のベンチや、木造で屋根付きの休憩スペースなどが街中にあれば、歩く人は増えるかもしれません。
また、石畳がなくなってしまうのは、街の雰囲気づくりとしては寂しいことですね。石や木があると街に温もりが出るし、阪急岡本駅も、街並みに合わせた外観になれば統一感があって素敵だなと思います。あと、個人的には足湯や喫煙所が欲しいです。
こんな岡本になってほしい
学生が学校帰りすぐに帰ってしまうのではなく、ぶらぶら歩いて留まってもらえるような魅力ある街になってほしいと思います。今は若者向けのお店が少ないので、若者がハシゴできるようなお店が増えるといいですね。岡本全体がもっと魅力的になれば、住む人にも、働く人にも、訪れる人にもwin-winの関係が生まれるのではないでしょうか。
