普通だけど特別な街、それが岡本

美しい街岡本協議会は、私たちの街岡本が美しく、住んで誇りの持てる街であり続けるよう、様々な取組をしています。なかでも屋外広告物や建築物に関する事前協議は、地味ながら岡本の街の景観を守る要となっています。
これまでも多くの法人、個人の皆さんから御理解と御協力を頂き、美しい街並が維持されてきました。
そんな岡本の街にとって、またひとつ嬉しいことがありました。
ある建物オーナーの方が、街の美観や建物の管理上のことを考えて、店子さんの店舗用テントを付け替えてくださったのです。
オーナー自らが、こういう形で協力してくださったことに、協議会幹事一同、大変感激いたしました。
感謝の思いをお伝えすべく、また、付け替えの経緯も伺いたく、協議会会長の橋谷惟子と幹事の小田敏夫が、オーナーの三原順子さんにお会いしてきました。
三原さんの建物を管理している不動産会社の岡本たか子さんも同席され、お話を伺ううちに、期せずして岡本の魅力を語る座談会となりました。

■オシャレなテント

橋谷 「この度は、センスのある美しいテントを設えて頂いて、ありがとうございました。手弁当と熱意だけで頑張っている協議会としては、本当に嬉しいことでした」
三原 「橋谷さん同様、岡本に生まれ育った者として、できることをしただけです。あなたとは一つ違いですけど、岡本一丁目の私の生まれたあたりは、昔、岡本字釈迦田といっていた。あの頃からは、もう全く岡本も変わったわね」
橋谷 「お店が増えてね。最近はマンションの建設ラッシュです。新しい店舗や住宅が増えていく中で、岡本の良さを守り、さらに美しくしていきたいというのが、私達の願いなんですけど、三原さんのように、地元の個人の方がこういう形で応援してくださると、大変勇氣づけられます」
小田 「最近は地元に不在のオーナーの方が多くて、街への関心が薄くなる傾向にあります。こうしてオーナー自らが動いてくださるのは、心強い限りです」
三原 「あそこはね。JRの摂津本山駅から出て最初に目に入る場所。岡本の南玄関です。三年前に建物の外壁を白から茶色に変えたんですが、以前のチケット屋さんのテントの色と合わなくなってしまいました。そのことが、ずっと氣になっていたんですね。
去年の十月、台風でそのテントが壊れたのを機会に色を変えてほしいと、この岡本さんを通じてお願いしたんですけど……岡本さんには建物の管理とか、まるで私の秘書か娘のように、よくしてもらっているの」
岡本 「店子さんには店子さんの事情があって、それも本当によくわかりますし、どうしようかと思ったんです。そうしたら三原さんが、『無理を言って、私の好みの色や形にしてもらうのだから、費用は出しましょう』と。それで、あのテントになったんです」
小田 「あれはいいですね。チケット屋さんであんなオシャレなテントは他にない。建物の色にも合ってるし、隣の惣菜屋さんとのつながりもかわいい」
三原 「以前は看板もあったんだけど、あの台風のとき、本山駅まで飛んで行って……怪我人がいなくて良かったんですが、看板はもうやめてもらいました」
橋谷 「ない方が、すっきりしますね」
小田 「テントのロゴも隅っこにちょこっと。さり氣なくていいですね」
三原 「そのさり氣なさが岡本のいいところ」
小田 「それでいてオシャレなんだよな。僕ね、岡本に住んで今年で二十五年目に入るんですけど、始めの頃、夏になると、女子高生達が制服姿で白い日傘を差して歩くのを見てびっくりした。若い頃、東京にも住んでましたが、渋谷にも表参道にも、そんな女子高生なんていなかったですよ」
三原 「でも、それが普通なのが岡本なのよね。昔から岡本は商売が難しいと言われているけど、それでも岡本にお店を出したいと言う人は多いでしょう」

普通だけど・・・

■岡本の魅力

岡本 「他所から見ると特別な街なんですね。私、大阪出身なんですが、高校生の頃、友達と『岡本ツアー』と銘打って、岡本に遊びに来たんです。もう、いっぺんに好きになって、将来絶対ここに住もうって思いました。結婚してここに住めるようになって、本当に良かったと思います」
小田 「僕も初めて阪急岡本駅に降りた瞬間、もう街に一目惚れだったな。ここは秘密の花園かと。即決でしたね」
岡本 「住んでいる年数は、ほぼ同じですね」
小田 「二十数年と言えば、結構長いですけど、この地で生まれ育った三原さんや橋谷さんから見たら、新参者ですね。何か今日は新旧(?)岡本人の座談会のようです。まあ僕達新参者は、一発で街の魅力にやられたクチですけど、三原さんにとって岡本の魅力って何でしょう?」
三原 「今も言いましたけど、さり氣ないというか、普通であること。ぶらないところですね。それでいてちゃんと周囲に氣を配っている。不快感を与えないようにね」
小田 「ずいぶん昔のことですけどね。女優の吉沢京子さんが結婚して芦屋に住むようになった時、芦屋の人がゴミを出すのにも化粧していてびっくりしたとか」
三原 「岡本もそうね。化粧できない時はちょっと帽子をかぶるとか。普通にね」
岡本 「だけどその普通っていうのは、決して当たり前じゃないんですよね。岡本に住んで、これが普通だと思っているけど、他所から来た人を案内すると、必ずびっくりされる。普通だけど特別なんですよ」
小田 「僕もそれは知り合いから言われますね。僕だって最初の頃は、岡本駅で電車を降りるだけで何か誇らしかった。今はそれが当たり前になって、むしろ、ここが悪い、あそこがダメ、なんてばかり言っている。ちょっと反省しなくちゃ」
岡本 「本当そうですね」
橋谷 「普通は当たり前ではないということは、肝に銘じておくべきですね。そのためには努力がいる。協議会にも、ここ数年で若手幹事が増えて活躍してくれるようになり、第三世代に移ろうとしています。彼等に期待するところ大なんですが、これからもいろんな意見を聞かせてくださいね」
三原 「言っていいのかしら?」
橋谷 「どうぞどうぞ。何でもおっしゃってください」

楽しい時間が、あっという間に過ぎました。この街に対する私自身の愛着を再確認できた氣がします。初心忘るべからず。もっともっとこの街を好きになろうと思います。(文・構成 小田敏夫)

 

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季刊報 美しい街岡本は、『美しい街岡本協議会』が3ヶ月に1回発行するものです。 『美しい街岡本協議会』は、美しいまちなみや豊かな自然に溢れ、清潔で安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域住民と地域で働いている人達で、活動しています。