5年に1度のホスト役 「開港5都市景観まちづくり会議・神戸大会」

開港5都市景観まちづくり会議・神戸大会秋号でご案内しました「開港5都市景観まちづくり会議・神戸大会」(平成27年11月6日(金)に全体会議、7日(土)に分科会)が開催されました。
当協議会の幹事・サポーターも、開催都市神戸の景観まちづくり団体の一員として参加し、多くを学び、刺激を受けました。

■ ためになった、楽しかった 石橋 正敏

まち協では月に一度、公開幹事会が開催されています。僕は2年前の1月から参加している一会員で、幹事ではありません。「開港5都市景観まちづくり会議」という言葉を知ったのは1年目の夏。それが今回、神戸で開催されるということでスタッフの一人として神戸朝日ホールへ足を運びました。
進行表を手にし、「知りもしないのに評価することの愚かさ」を自己反省。というのも、函館・新潟・横浜・長崎そして地元神戸から、多数のまちづくり団体が参加する内容の深い会議なのです。
公開幹事会に参加していなければ知らないままだったでしょう。景観というと、京都のお店の看板の色は他とは違う。その程度の認識でした。開港5都市景観まちづくり会議を5都市持ち回りでやっているのも初耳。
1日目は、全体会議(各都市活動紹介など)と基調講演の2部構成です。定員350名のところ、倍の700名を超える応募があったそうです。その動員力となったは、小説家・玉岡かおるさんの基調講演でしょう。それを楽しみにしていたのは僕も同じだから…
第一部。各都市の発表は、関係者以外はさほど興味がない空気感は否めません。しかし、皆さん、徐々に乗り出して聞いています。「へー」とか「そうなんや」といった頷きも伝わります。その地へ旅した気分になる発表もありました。
第二部。いよいよ玉岡かおるさんの登場。赤いジャケットに真珠のネックレスとブローチ。神戸を表現するアクセサリーです。
「陸尽きて海始まる神戸のまちの物語~「お家さん」の歴史から~」という講演タイトルは流石です。幾度の災害にも甦ってきた神戸の物語は、講座を受講しているようで実にためになるのです。神戸市民である喜びを感じさせてくれるエピソードも散りばめられていました。
今回、僕と同様に、「目から鱗」だった人が会場にいたと思います。
ラッキーにも当選した350名の多くが、景観まちづくりに取り組む5都市があること、神戸もその一つであることを知ることになった気がします。
僕がそうだったように経緯はどうであれ、一人でも、わが街岡本が景観まちづくりに取り組んでいることを頭の片隅にインプットしていただければ幸甚です。

4_2■魚崎郷まちあるき 小田 敏夫

古来より酒造りが盛んな阪神間、その五つの酒造地域の総称が灘五郷。そのひとつ、魚崎郷のまちあるきに参加しました。
まずは、櫻正宗蔵開きから。酒造りの始めに関係者のみで行われる神事ですが、今回、特に参列を許されました。厳かな神事に、日本人が万物の全てに神性を見出して、感謝を奉げてきた歴史を感じます。魚崎郷は、そんな日本人の伝統や価値観を引き継いできた町です。
しかし、あの阪神・淡路大震災で、魚崎郷の歴史ある木造蔵は全壊、町は荒廃しました。震災前、十二社あった酒造会社も、今では五社となり、かつての跡地には他業種の建物や大きなマンションが立ち並んでいます。新しい住民には、この町の歴史を知らぬ人も増えたと聞きました。
魚崎郷まちなみ委員会の人達は、町の歴史を次代に伝承して、真の町の復興をすべく活動されています。その具体的な成果が、まちあるきで案内された建物や構造物の意匠に反映されていました。
私達の町、岡本とは、また個性の異なる魚崎郷ですが、町を愛し、守っていく姿勢には、変わることがないと実感し、勇氣を頂きました。ありがとうございます。

まちづくりは愛だ■まちづくりは愛だ 足立 大輔

僕が参加させてもらったのは、2日目の分科会3「まちは誰がつくるの?」で、他都市の皆さんに岡本のまちづくりについて紹介し、意見交換をするという企画です。
今回、僕は、屋外広告物の事前協議の成果(お店の看板を岡本のまちに似合うものに変更いただいた例)を紹介する役目でしたが、とても緊張してしまい、しどろもどろに・・・。えらいこっちゃでした。しか~し、そこは、司会者のわが美しい街岡本協議会のコンサルタント根津氏の巧みな話芸でカバー! さすが見事でした。
それからは新長田北・魚崎郷・岡本のまちづくりに関するクイズと意見交換に移るのですが、今思うに僕はこの会をナメていましたね。だって、こんな難しそうな企画、楽しくないですやん!
意見交換のテーマを1つ紹介します。「紳士協定の独自ルールでまちなみ形成・まちなみ保全を図ろうとすることの意義は?」。えっ!? 何!? これは… 国会中継の議員みたいに居眠り者続出だぜ(泣)
ですが、そうさせないのが、美しい街岡本協議会です!
クイズは4択で、①~④の旗のうち正解と思う番号を挙げる旗揚げ形式です。なんか楽しそう(笑)。その後は、特大のサイコロを転がして、事前に配っておいたカードの番号で、出た目の数を持つ方に意見をいただくというルール。
「イヤーン当たらないで~」サイコロが転がる時の皆さんの息を飲む音が聞こえてきそうでした。
けれど、アットホームな雰囲気の中、皆さん、しっかり意見を述べられていました。あまりに上手く話す方には名司会者も脱帽! その方のお話はこうです。「まちづくりは行政ではなく住民が行うもの。『市民参加』ではなく、住民主体のまちづくりに『行政参加』というのが本来の形だと思う。」「まちづくりに限界があるとすれば、まちへの関心を持たなくなるときではないか。関心のない人をいかに振り向かせるかが、今まちづくりに取り組まれている皆さんが悩まれていることかもしれない」

5_2 蓋を開ければ、びっくりポン’皆さん、居眠るどころか、目をキラッキラさせておられました。真剣に議論されており、それぞれに、それぞれのまちづくりがあり、皆さん試行錯誤しておられるのだなあと感じました。
ある方が「まちづくりは、愛だー。」とおっしゃられたのがとても印象に残りました。そのことは僕でも理解しました。これから、僕もいろいろ理解できるようにまちづくりに励みます。

コメントは受け付けていません。

私たち、暮らしの中心が岡本です
季刊報 美しい街岡本は、『美しい街岡本協議会』が3ヶ月に1回発行するものです。 『美しい街岡本協議会』は、美しいまちなみや豊かな自然に溢れ、清潔で安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域住民と地域で働いている人達で、活動しています。