第64回『神戸、岡本のまちのパワー』

『神戸、岡本のまちのパワー』 本山第一小学校1995年卒 本山中町4丁目 山本 翼

この岡本というまちで生まれ、好きすぎて離れられず、はや40年になります。
毎年、冬が来るとあの時の思い出が蘇ります。私が本山第一小学校の6年生だった1995年に起きた阪神・淡路大震災です。 轟音とともに激しい縦揺れが20秒くらい続き、目が覚めると家の1階が崩れ、自分の寝ていた2階が1階になっていました。近所の方々に救出され、やっとの思いで家の前の公園に避難しました。公園には、大きな地割れができていたのを覚えています。 その後、避難場所であった本山第一小学校の体育館に避難し、余震に怯えながら夜を過ごしました。気づくと、体育館は同じように家を失った方々で、足を延ばすスペースもないほどいっぱいになっていました。 2カ月後に迎えた卒業式は体育館が使えないため、グランドにテントを張って行われました。後にも先にもテントで卒業式をした学年は我々の学年だけと聞いています。
その後徐々にではあるものの、時間をかけて復興を遂げていく神戸、岡本のまちのパワーに励まされました。地元の中学、高校を卒業し、大学こそ京都でしたが就職をする際、なにか神戸に恩返しがしたいという思いで今の企業を選びました。
震災から29年が経った今、自分の子供も本山第一小学校に通っており感慨深いものがあります。彼らも大人になったらこの素敵なまち、岡本が好きで離れられなくなるのか、今から楽しみです。

私たち、暮らしの中心が岡本です
季刊報 美しい街岡本は、『美しい街岡本協議会』が3ヶ月に1回発行するものです。 『美しい街岡本協議会』は、美しいまちなみや豊かな自然に溢れ、清潔で安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域住民と地域で働いている人達で、活動しています。