第34回 「あれから50年」
「あれから50年」 丹後勝弘(68歳)
あるきっかけから、約50年ぶりに岡本付近を歩く。狭いのは昔と一緒の水道みちは「フェスティバル通り」と呼ばれている。
昭和34年。中1の夏に森市場(本山町森南町)に越して来、2学期からポン中(本山中)に転校生として入学。毎日約3キロを往復する徒歩通学。台風の時には道が濁流に変わり、やっとのことで家にたどり着いたこともあった。
一人ぼっちから始まり、卒業まで続けられたのは良き友達のおかげであった。いつも一緒に歩いてくれた本山第三小学校の近くで酒屋をやってる大関の息子、パンもご馳走になった水道みちのパン屋の娘(初恋の人?)、牛乳屋のボンボン、死んでもうたけど優しかった小路市場下駄屋の息子、家にも上がって遊んだ田辺村踏切そばのジャンボ船長等等。
今も駅から出ると中学生の頃にタイムスリップし、おしゃれな街にふさわしくないキョロキョロじじいになってしまう。