vol.30 私の夏祭り 重元有希 

小さい頃、私の故郷(島根県浜田市)の商店街では、七、八月の毎週土曜日の夜に金魚すくい、わた菓子、お面屋さんなどが500㎡位の狭い範囲に所狭しと並ぶ土曜夜市がありました。普段は静かな町もその日だけは賑やかになり、500円玉を握りしめ、何度も飽きずに行ったり来たりしたのを今でも覚えています。
今は、故郷の過疎化は進み、大きなスーパーの出店もあってか、商店街も町自体の活気もありません。時代の流れとして、仕方のないことなのかなと思っていました。
この岡本は、三宮と大阪に挟まれた利便性の高い土地でありながら、しっかり街の特徴を保ち、個性的で、住と商がうまく調和してきた街です。時には、サマーフェスティバルのように、かつて500円玉を握りしめて胸躍らせた記憶が呼び覚まされるような素敵なイベントも催されます。
岡本の街は、住み始めて一年半たった今でも、そんな様々な表情を見せてくれます。この街に出合えたこと、また、この岡本の街を守り育ててきた岡本の街の皆さんと出会えたことが、とてもうれしく思います。
これから先、都心にどれだけ大きい施設ができても、岡本らしさを守り、変わらずサマーフェスティバルを盛大に催すことのできる街であって欲しいと願っています。

重元 有希

私たち、暮らしの中心が岡本です
季刊報 美しい街岡本は、『美しい街岡本協議会』が3ヶ月に1回発行するものです。 『美しい街岡本協議会』は、美しいまちなみや豊かな自然に溢れ、清潔で安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域住民と地域で働いている人達で、活動しています。