秋を想う 編集長 小田敏夫 夏の間、毎朝、私を起こしたのは、アブラゼミの大音声であった。
今、私を目覚めさせるのは、音もなく忍びよる、朝の冷たい空氣である。
夜の岡本坂では、コオロギが鳴いている。いつの間にやら、秋である。
四季の移ろいが消えつつある現代でも、
探せば、そこかしこに秋の氣配は感じられる。