vol.41「岡本の『夏の住民』」
岡本の『夏の住民』 編集長 小田敏夫
今年もツバメがやって来た。
初夏に始まった巣作りも終わり、
もうじきヒナの鳴く声が、街を賑わすことだろう。
ツバメが人家の軒先に巣をかけるのは、
カラスから襲われないようにするためという。健氣である。
子供の頃、ツバメは田んぼの虫を食べる益鳥だと教わった。
田んぼのない岡本でも、ツバメの巣は大切にされている。
その姿の愛らしさと、古からの共生関係が、日本人の心の遺伝子に
組み込まれているからだろうか。
通りを駆け抜けるように、ツバメが飛ぶ。時には、人の頭をかすめるように。
