第43回「(幼)馴染みの街」

岡本商店街振興組合 事務長 道法美子

 高校三年の時に初めて岡本を訪れた。瀬戸内海の小さな島に生まれた私にとってこの街は気づけば憧れの街になっていた。
 甲南大学に進学してからはお洒落な雑貨屋・美味しいパンやスィーツが立ち並ぶ雰囲気のある街だな、と漠然と思っていたが、JAZZ が流れるイタリアンのお店でアルバイトを初めてから私の人生は大きく変わった。
 「街」ではなく、「街で働く人」から大きい影響を受けた私は、そこからイギリス留学、東京丸の内勤務等を経て「人と関わる仕事がしたい」と思うようになり、今では商店街の人達に支えられながら商店街で働いている。
 「岡本」は街の雰囲気がいいと言われたりするが、それは「岡本で働く人」がそうさせているのだと思う。その人達から流れる雰囲気が街の雰囲気に繋がっているのだと感じている。
 岡本の花屋、美容院、居酒屋に行くと「馴染み」の人達が家族のように温かく受け入れてくれる。転勤族の家庭に生まれた私にとって「幼馴染」という言葉に特別な憧れを持っていた。「岡本」は今では私の中で「(幼)馴染みの街」として欠かせない存在になっている。

私たち、暮らしの中心が岡本です
季刊報 美しい街岡本は、『美しい街岡本協議会』が3ヶ月に1回発行するものです。 『美しい街岡本協議会』は、美しいまちなみや豊かな自然に溢れ、清潔で安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域住民と地域で働いている人達で、活動しています。