広告景観フォーラム参加報告

9月5日(金)、兵庫県屋外広告美術協同組合主催の広告景観フォーラム(テーマ「より良い景観を目指して」)に参加しました。藤本英子先生の司会進行で、第1部はパネルディスカッション、第2部は小人数グループでの意見交換と各班の意見発表でした。
国土交通省や兵庫県景観形成室といった行政の方、サインクリエーター協会や兵庫県美術技能士会という広告業界団体の方、ともすれば反対の立場におられる方々とも意見を交換させていただきました。
「思いは同じ」でした。
「とにかく派手」「目立ってなんぼ」ではなく、街に溶け込む、街並みに寄り添うことも大切であると、業界の意識も変わってきているとのこと。しかし、発注者の意向との調整の難しさ、ご苦労話も多く伺いました。組合に入っていない業者についての協調性に関するお悩みも吐露され、「いずこも同じ秋の夕暮れ」の感あり……。
国の動きとしては、広告物の規制強化を行いつつ、歴史・文化の発信手段として見直すこと、官民連携の取り組み、景観向上に向けた支援制度等の紹介がありました。
兵庫県は、屋外広告物条例について、業界関係者からの「わかりにくい」「改正してほしい」といった声を受けて、「条例を改正する前に『現在の条例が目指している姿(ルールが守らている状況)』にしていくことが先である」と考え、違反広告物対策と違反広告業者対策を連動させた取り組みを実施し、違反広告が3割も減ったそうです。
行政職員の方でもはっきりと物申される方に出会うことができました。「まず守るべきコトをきちんと守ってから意見を言うこと」という主旨のことを理路整然と、しかし、高圧的、威圧的には感じない、非常に納得できる話し方をされるとても魅力的な方でした。もう少しお話を伺いたかったです。
広告業界では、デザインされたものを取り付けるだけという仕事が増えていたり、印刷技術等の進歩により、看板屋でないのに広告業を営む業者が増えているそうです。しかし、看板屋としては、「自分で現場を見て、ここにはこんな看板がカッコイイと考えてクライアントに提案したものを設置する方が達成感もある」「岡本のような街が増え、それに応えられる看板屋が増えていけるよう、組合や技能士会も努力していきたい。広告業界の一人ひとりが、良い広告景観やデザインの勉強していかなければならない」など、素敵な看板屋さんの誇りを感じるお話も伺うことができました。

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藤本英子先生(京都市立芸術大学美術学部・大学院美術研究科環境デザイン研究室教授)当協議会の定期総会基調講演にお越しいただいたご縁から、当協議会の活動に関心をお寄せいただいています。

兵庫県屋外広告美術協同組合(略称:兵広美)兵庫県で広告業及び関連事業の仕事をしている約200社が加盟する団体

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